大町文庫とは

オーナーである瀬賀弘行氏が高校生だった頃から公私にわたりお世話になり、
その人となりに深く感銘を受けた三人の先生方の膨大な蔵書を保管、管理しようと
私財を投じて建設した私設図書館です。
2013年9月大町文庫として開館しました。

大町文庫の内部に入ってみましょう

町屋造りの引き戸を開けるとそこは吹き抜けのエントランスホール、
その真中に吹き抜けの天井まで届いている大きな柱に纏わりつくように昇る
螺旋階段が二階へと誘います。

エントランスには、新書や文庫本などが収蔵されております

町屋造りの引き戸を開けるとそこは吹き抜けのエントランスホール

初めて来館された方々から
“ステキ!
気持ちのいい空間ですね”
との声を沢山聞きます。

八木三男先生・本間桂先生

二階に上がると欧米風のテーブルセット、ソファーが備えられ、八木三男先生・本間桂先生お二人の蔵書が三方の壁に造られた書棚にびっしりと収まっています。

二階に上がると欧米風のテーブルセット、ソファーが備えられ、
八木三男先生・本間桂先生お二人の蔵書が三方の壁に造られた書棚にびっしりと収まっています。

実はこの大町文庫に最初に搬入されたのは八木三男先生の膨大な蔵書の中の
約3000冊ほどの書籍でした。
大の男が三人、30Kgほどの本が入った段ボール箱を二日間かけて
何十回その螺旋階段を往復したことでしょうか。
しかしそれを並べて、一棚、二棚と埋まってゆく様は、
それまでだだっ広いだけだった空間が息を吹き返したかのような、
そんな感動を与えてくれました。
その後少しずつ追加して現在は八木三男先生の蔵書だけで
約3500冊ほどの蔵書数になっています。
コーヒーを飲みながら好きな本を読む、
そんな贅沢なひと時はいかがでしょうか

八木三男先生

最初に搬入されたのは八木三男先生の膨大な蔵書の中の約3000冊

■八木三男氏蔵書

二階の左端から全部の棚の約半分ほどのスペースに八木三男先生の蔵書が収まっています。

八木三男先生は当時、村上高校で日本史の教師をしておられました。

八木三男先生

二階の左端から全部の棚の約半分ほどのスペースに八木三男先生の蔵書

古事類苑・歴史大系・哲学思想・社会、教育関係・古典文学・現代文学・外国文学など
多岐にわたる蔵書の数々には驚かされます。

文庫に来られた老齢の紳士は「古事類苑が箱に入って、
全巻揃って現存しているとは実にすばらしい」と呟き
女性のグループは文学全集の前で「なつかしい~、昔何回も読んだ本です。
全巻揃っているんですね」と友人と肩をたたき合い、
若いカップルは約700冊ほどの〝東洋文庫″の前で
「アラビアン・ナイトだ、面白そう」と
その本を片手に書棚の脇にあるソファーに腰を掛けて読みはじめました。

又、80冊ほどの名著覆刻全集は思わず触れてみたいと思うような、
それぞれ風情があり、趣のある装幀になっています。

故事類苑・歴史大系・哲学思想などは難しそうで、
とても手にとって読もうとは思えないかもしれませんが、
よく探してみると、他の分野では、現在絶版になっていて手に入らない本や、
読みたいと思っていた本に出会えるかも知れませんよ。

どうぞお好きな本を手に取って、豪華なテーブルで、
又ソファーにゆったりと腰かけて読書をしていただければ幸いです。

(文責:増田千恵子)

大町文庫しおり 第3号 平成26年6月10日

大町文庫しおり 第3号 平成26年6月10日