町屋のライトアップは初めてでした。
日本家屋は素材と仕上げとが一体になった簡素な自然観を表わしていること自体に特徴があるで、
人工的なライトアップが敢えて必要なのか?
用いる場合はどこに仕込んだらいいのか?
という基本的な最初の壁がありました。
煌煌とならずに滲み出るような灯りで素材感を表現するには?
と選んだ方法が間接照明でした。
ギリギリを狙えるように調光装置も併用しました。
また間接というからにはどこかに隠さなくてはいけない、
その空間は?
という課題を背負っているので無理をいって現場の方に委ねなくてはいけない、
他力本願な選択の壁がふたつ目でした。
そうした壁々にも拘わらず、一生懸命取り組んで実現していただいた方々
(設計さん、工務店さん、大工さん、板金屋さん、看板屋さん、電気屋さん)には深く感謝しています。
お陰さまで光は見えても、灯り(光源)は見えない建築化照明という薄化粧化(眩しくない装い)を
日本家屋においても誕生させることが出来ました。と思います。
まだ写真しか観ていませんので‥‥‥照明計画を振り返って
照明計画・設計 中村直人